【意識と瞑想の探究シリーズ39】マントラは思考を超えるための「乗り物」

意味のない音が、どうやって心を静寂の源へと導くのか

前回の記事で、私たちは 「頑張らない」ことこそが、 最も深い瞑想への鍵であることを探求しましたよね。

では、一体「何」を使って、 私たちは、この**「頑張らない」** 内なる旅を 始めることができるのでしょうか。

その答えが、超越瞑想で使われる「マントラ」です。

でも、「マントラ」と聞くと、 何か特別な意味を持つ、 聖なる言葉を唱える、というイメージがありませんか。

しかし、超越瞑想で使われるマントラは、 実は「意味を持たない音」なのです。

意味のない音が、 どうやって私たちの心を、 その最も深い源泉へと導いてくれるというのでしょう。


「意味」が心をとどめてしまう

この謎を解く鍵は、 私たちの心の働きそのものにあります。

私たちの心は、 「意味」のある言葉に出会うと、 自然にその意味を考え、解釈しようとしますよね。

「幸せ」という言葉を聞けば、 幸せな記憶やイメージが浮かんでくる。

これは、心を「活動」させるプロセスです。 思考の表面的なレベルに、 心をとどめてしまう働きがあるのです。

もし、瞑想の目的が、 思考の活動を超えて、 その源泉である静寂にたどり着くことだとしたら。

「意味」のある言葉は、 目的地へ向かうための乗り物ではなく、 出発点に私たちを縛り付けてしまう「錨(いかり)」に なってしまうかもしれません。


「音」だけが持つ、特別な力

ここで、「意味を持たない 音 」であるマントラが、 そのユニークな力を発揮します。

『Consciousness Is All There Is』という本は、 超越瞑想におけるマントラを、 思考の源泉へと向かうための **「乗り物」**として説明しています。

意味を持たないからこそ、心は、その意味に捉われることなく、マントラの「音」そのものの価値に導かれます。

そして、あたかも川の流れが海へと注ぐように、その音は自然により静かに、より微細に、そして、よりかすかな響きになっていくのです。

心は、この微細になっていく過程を、何の努力もなく、ただ楽にたどっていきます。それは、まるで美しい音楽に自然と心が惹きつけられるような、ごく自然なプロセスなのです。


静寂の源泉へと、溶けていく

そして、最後には、 マントラの最も微細な響きさえも消え去り、 心は、思考が完全に静まった、 広大で、静寂な領域へと、そっと着地します。

これこそが、 思考が生まれる前の、 すべての思考の源泉である**「純粋な意識」**の場です。

マントラは、 私たちをこの場所へといざなう、 特別な「乗り物」だったのです。

そして、目的地に着いた乗り物が、 もはや必要なくなるように。

マントラもまた、 その役割を終え、 静寂の中へと、静かに溶けていくのです。


まとめ:この記事の3つのポイント

  • 意味からの解放 「意味」のある言葉は心を活動させるが、「意味のない音」であるマントラは、心が思考の表面に捉われるのを防ぐ。
  • 音という乗り物 マントラは、心がその「音」の価値に導かれ、自然に微細になっていく過程を、何の努力もなく楽にたどっていくための「乗り物」である。
  • 静寂への着地 最終的にマントラは静寂の中へと消え去り、心はすべての思考の源泉である「純粋な意識」の場へと、何の努力もなくたどり着く。


意味を持たない音が、 私たちを、最も意味に満ちた場所へと 連れて行ってくれる。

この逆説的で美しいプロセスこそが、 超越瞑想の核心なのです。

さて、この静寂の源泉で、 私たちは、ただ「何もない」だけを 体験するのでしょうか。

いいえ、そこには、 言葉では言い表せないほどの「至福」が 満ち溢れています。

次の記事では、**「至福の科学」**というテーマで、 この「超越」の瞬間に、 私たちの脳内で何が起こり、 なぜ幸福感を感じるのか、その神秘に迫ります。


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